介護福祉士からのスキルアップを目指そう!次に取るべき資格は?
介護福祉士は介護関連の資格の中で唯一の国家資格であり、資格を取得しているとさまざまなメリットがあります。また、介護福祉士を取得した方の中には、さらなる…
もっと見る近年の高齢化で介護需要が増えているにもかかわらず、介護業界では人材不足が深刻な状況です。公益財団法人介護労働安定センターの調査によると、介護事業所全体の人材不足感は63.0%。業界全体でも介護人材を確保することが望まれています。今回は介護業界への転職事情の中でも40代からの介護転職について解説しましょう。
一般的には、40代以降の転職活動は遅いのではないかといわれます。しかし、介護の仕事を始めるのに遅いということはありません。
なぜなら、介護業界全体が人材を求めている社会的背景があり、前職での仕事経験や知識を活かし、活躍できるのが介護職だからです。
例を挙げてみますと、飲食店での接客サービスの経験があれば、丁寧なサービス提供を求められる有料老人ホームでの介護職員としての活躍を期待できます。タクシードライバーの経験があれば、病院への受診同行やデイサービスの送迎ドライバーとして働くことも可能です。排泄や入浴などの介助が日常的に必要な特別養護老人ホームや家事援助の必要な訪問介護やサ高住では、子育てやご家族の介護経験を活かせます。
そして、前職がSEなど直接接客サービスをしない職種であっても、コツコツと作業を積み上げる経験を活かして、生活相談員やケアマネージャーなどのデスクワークやITの知識を活かして介護現場で活躍できるでしょう。オペラ歌手やエステなどの特殊な技術があれば、施設のレクリエーションの一環として、利用者へのサービス提供することも可能です。介護職は、40代からでもさまざまな経験や知識を掛け合わせて仕事に活かし、活躍の幅が広げられる職業といえます。
前職での経験や知識が活かせる介護職ですが、40代になぜ介護職がおすすめなのでしょうか。その理由は、40代で介護職としての経験がこれからであっても、豊富な社会人としての経験があることは大きな強みになりうるのです。こちらでくわしく見ていきましょう。
介護職員には、利用者のニーズに合わせて展開できるレクリエーション力や対人コミュニケーションスキルが不可欠です。施設介護であれば、周りのスタッフと協力して円滑なコミュニケーションをとり、多くの利用者によりよいサービスの提供ができるスタッフが求められます。
逆に訪問介護などひとりで利用者に対応する現場であれば、一人ひとりに合わせたきめ細かなコミュニケーションのできるスタッフが求められるのです。現場により求められるスキルは違いますが、たとえ介護職が未経験であっても今までの人生経験で培われた人間的な幅は、利用者やほか職員との対人コミュニケーションにも活かせます。
介護業界の介護人材不足の社会的な背景もあり、各事業所でも教育や指導のできる人材は喜ばれます。40代であれば、社会人経験が浅い20代、30代職員に向けて、前職でのマネジメント経験や管理職としての経験を活かして、社会人にとって必要な対人スキルの教育や指導もできるからです。これから活躍を期待される若手介護人材のスキルの底上げにもつながるため、40代の人材の雇用は介護事業所にとってもメリットが大きいといえるでしょう。
40代で介護職に就く方の中には、自身の祖父母や親の介護を経験して介護職を志される方もいます。介護の仕事を通して習得した技術や経験は、自身の親の介護にも役立てられるでしょう。
ここまで、40代での介護職への転職は、前職での経験も活かせてメリットが多いとご紹介しました。しかし、これから未経験で介護職に転職される場合、情報収集不足のために介護職を初期の3か月の間に辞める方がいるのも現実です。どのような点に気をつけていけばよいのでしょうか。いくつかポイントを押さえておきましょう。
自身が希望する働き方と勤務先の条件に相違がないかの確認を怠らないようにしましょう。初めての介護職としての働き先としては、有料老人ホームがおすすめです。ほかの介護施設に比べると、利用者に対する介護職員の配置人数が多く、介護経験者に介護技術を教えてもらえる環境であるといえます。年収や勤務地の近さだけではなく、雇用条件や雇用環境にも目を向けて情報収集しておきましょう。
これから長く介護職員として働くのであれば、まず国家資格の介護福祉士の受験を視野にいれてキャリアプランを立てておきましょう。介護福祉士の受験までには、3年間の実務経験と介護職員実務者研修の資格取得が必須です。介護の入り口である介護職員初任者研修資格を取得し、現場で実務経験を積んでスキルや技術を磨いていきましょう。
働きながらの資格取得を支援されている施設もあるので、こうした支援もうまく活用して3年目には介護福祉士の資格取得できるようにキャリアアップ。介護福祉士資格取得後は、自身の介護士としてのスキルを磨いていくことや組織の管理職やケアマネージャーへのキャリアを考えるなど仕事の幅も広げていけます。
今回は、40代での介護職への転職やキャリアアップについて見てきました。無資格、未経験であっても前職での経験も活かせ、門戸が幅広く開かれているのが介護業界の魅力です。40代から管理職や施設の中心となる職員としても働くことが可能といえます。事前の情報収集も怠らず、自身の希望にあった環境でキャリアアップして、介護業界で長く活躍しましょう。